激闘が繰り広げられた第100回箱根駅伝。
1位の青学が5時間18分13秒というとてつもないタイムで往路新記録を樹立、往路優勝を飾りました。
そんな2024年の箱根駅伝ですが、あまりにも1位の青山学院大が早すぎたため、8位の大東文化大以下16校が往路を一斉スタートすることになります。
復路一斉スタートって何?
どうしてタイム差でスタートしないの?
そこでこの記事では、そんな疑問に応えるべく、復路の一斉スタートについて分かりやすく解説していきます。
復路一斉スタートとは?繰り上げスタートの仕組みを解説
繰り上げスタートとは「先頭チームから一定の時間差がついた場合、後続チームの走者が中継所に到着する前に次の走者が出発する」ルールです。
駅伝においてこの状況は選手にとって最悪であり、連続性が途切れる可能性があります。
特に箱根駅伝では、この状況を回避するために繰り上げスタートが導入されています。
では今回の復路の一斉スタートはどういう意味なのでしょうか。
復路のスタートには、基本的に以下のルールが適用されます。
- 1位とのタイム差が10分以内の大学はタイム差でスタート
- その他の大学は1位のスタートから10分後に一斉に(同時に)出発する
復路では、往路での順位に基づいてスタート時間が設定されます。
首位から10分以内にゴールしたチームは、その差に応じて個別のスタートタイミングを得ます。
一方、10分以上の差がある場合、後続チームは首位チームのスタートから10分後に同時にスタートします。
重要なのは、復路において走行中の順位と実際の順位が一致しないことです。
例えば、往路で首位から10分でゴールしたAチームと、首位から13分後にゴールしたBチームがいた場合、同時にスタートしても実際の順位はA>Bとなります。
最終的な順位は合計タイムに基づくものであり、ゴール順ではない点に留意する必要があります。
ゴールした順位ではなく、あくまでタイムで順位が決まるんだね!
第100回箱根駅伝2024の復路のスタート
前述した通り、1位でゴールした青山学院大よりも10分以上タイムに差があるだいがくは、復路一斉スタートとなります。
そこで、各校のスタート時間を表にまとめました。
往路順位 | 1位とのタイム差 |
---|---|
1.青山学院大 | 8時スタート |
2.駒沢大 | +2:38 |
3.城西大 | +3:17 |
4.東洋大 | +7:06 |
5.早稲田大 | +7:52 |
6.国学院大 | +8:54 |
7.創価大 | +9:55 |
以下復路一斉スタート | |
8.大東文化大 | 10分後 (+10:41) |
9.法政大 | 10分後 (+10:50) |
10.順天堂大 | 10分後 (+12:04) |
11.国士舘大 | 10分後 (+12:07) |
12.帝京大 | 10分後 (+12:10) |
13.中央大 | 10分後 (+12:22) |
14.駿河台大 | 10分後 (+12:38) |
15.山梨学院大 | 10分後 (+12:52) |
16.東海大 | 10分後 (+13:20) |
17.立教大 | 10分後 (+13:24) |
18.中央学院大 | 10分後 (+13:29) |
19.日大 | 10分後 (+13:38) |
20.東京農業大 | 10分後 (+15:20) |
21.日体大 | +17:22 |
22.神奈川大 | +17:37 |
23.明治大 | +19:08 |
こちらの表の通り、8位の大東文化大以下の大学は8時10分より一斉スタートすることになります。
前述した通り、ゴールした順位ではなく、あくまでタイムで順位が決まる点がポイントとなってきます。
復路一斉スタートはいつから始まった?
箱根駅伝の復路のスタートルールは、過去にいくつかの変遷を経て現在の形になりました。
- 初期の試行錯誤期(1966年 – 1975年):
- 10年間、復路のスタートは8時00分に全校一斉スタートされていました。これは、全てのチームが同時に走り始める試みでした。
- 変更と現行のルール(1984年 – 現在):
- 1984年の第60回大会から、復路のスタートは1位とのタイム差が10分を超えたチームに対して、1位のスタートから10分後に一斉スタートする形に変更されました。
- なぜ変更されたか:
- 過去の全校一斉スタートでは、往路の順位との乖離が大きく、見た目の順位と実際の総合順位が合わない問題が生じました。そのため、現行のタイム差スタートに変更されました。
- 試行錯誤の歴史:
- 箱根駅伝のルールは初めから確立されたものではなく、様々な試行錯誤を経て今に至っています。変更される度に、駅伝の魅力と戦略が生まれ変わっています。
このように、箱根駅伝の歴史は、ルールの変遷を通じて進化し、ランナーたちにとってどのような挑戦となってきたかが理解できます。
過去最も多かった復路一斉スタートは何校?
箱根駅伝の復路で一斉スタートするチーム数の最多記録は、なんと今回の2024年の第100回大会と、1994年の第70回大会の16校です。
1994年の第70回大会では、山梨学院大学が往路で優勝しましたが、1位とのタイム差が10分を超えたため、5位から20位までの16校が一斉にスタートしました。
総合優勝した山梨学院大学の往路のタイムは5時間30分22秒で、5位の東京農業大学のタイムは5時間41分49秒でした。
復路の一斉スタートは、1位の大学チームとのタイム差が10分を超えた場合に適用されるルールです。
このため、1位の大学が往路で速いタイムを記録した場合、復路で多くの大学チームが一斉にスタートすることがあります。
箱根駅伝では時折ルールが変更されてきましたが、現在のルールは1984年の第60回大会から続いています。
復路の一斉スタートにはさまざまな戦略が絡み、その年の大会状況によって変動する面もあります。
復路一斉スタートとは何?箱根駅伝2024の復路開始時間を解説! まとめ
この記事では復路の一斉スタートについて詳しく解説しました。
- 1位とのタイム差が10分以内の大学はタイム差でスタート
- その他の大学は1位のスタートから10分後に一斉に(同時に)出発する
最終的な順位は合計タイムに基づくものであり、ゴール順ではない点に留意する必要があります。
ゴールした順位ではなく、あくまでタイムで順位が決まるんだね!
今回の16校一斉スタートは、1994年の第70回大会とならぶ過去最多の一斉スタートとなります。
それだけ往路が早すぎた青山学院大が復路も制して総合優勝となるのか、それともほかの大学を維持を見せるのか、復路の結果にも注目が集まります!